入院日記

私は4年前に皮膚筋炎という膠原病の一種の病気を発症しました。膠原病とは一つの病気ではなく、共通する性質を持ついくつかの病気の総称です。自分の体を異物と認識し排除しようとする免疫の暴走を「自己免疫疾患」と言います。膠原病の患者さんの体の中には、自分の体を攻撃する細胞(自己反応性リンパ球)やタンパク質(自己抗体)が存在し、筋肉や皮膚、関節、内臓、血管等全身に炎症が生じる病気です。

私が発症した皮膚筋炎は、特徴的な皮膚症状(上瞼が紫紅色の腫れたり、指関節が赤くなるなど)を伴い、主に四肢近位筋(胴体に近い筋肉、二の腕、太もも、首など)に筋肉の脱力や筋痛が起こります。原因は不明で、指定難病の一つです。ステロイド薬で炎症を抑える投薬治療を行いますが、それだけで抑え切らない場合は、免疫抑制剤も併用します。さらに筋肉の炎症が治りきらず、CK(クレアチニンキナーゼ、筋肉の損傷を測る数値)が高値から下がらない場合は、点滴治療を行います。健康な方の献血液から免疫グロブリンを中心とした抗体を抽出した血液製剤の点滴を、1日8時間5日間連続で行います。

病気になったことで、日常生活に支障が出て大変な時もありますが、定期的な外来受診や入院治療を通じて、ケアをして下さる医療スタッフの方々の仕事ぶりに感動し、又日本国民であることで、充実した国民皆保険制度が受けられることにも有難く感じます。安価で一定水準以上の治療が受けられる保健制度が充実している国は世界でも類を見ません。いつも優しく丁寧に対応して下さる先生をはじめ全ての病院スタッフの皆様及び、かかりつけの薬局スタッフの皆様、又血液製剤に必要な献血をして下さっている一般の方々の支援にも感謝申し上げます。自身も医療従事者であることに誇りを持ち、今後も患者さんに真摯に向き合って最善の治療を考えていきたいと思っています。

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